ズィーガー・
カンプグルッペ
遂行者:平松拓重流
作戦名:AWW(SS)キャンペーン


連載デスが、ここらでちょっと息抜き、という感じで
オリジナルストーリーを入れちゃいます。


「ミュンヘンで見たもの」

「ぐわあああ!!!」
「うおおおおおお!!!」
な、何てことだ…。
ベルリンが火の海に…。
総統閣下はドイツを千年帝国にすると約束したはずだ…。
それなのになぜ、このような結末を迎えるのだ!!
俺のやってきたことは、一体なんだったのだ!!

ドォン!!

クッ、どうやら俺も最後のようだ…。
意識が薄れていく…。
俺は…

「夢…か」
俺は目覚めた。
休暇でミュンヘンに骨休めのため旅行に来ているが、ホテルに泊まって
いきなり悪夢を見るとは。
しかもベルリンが焼け野原になるという恐ろしい夢だった。
今、我がドイツはポーランド、デンマーク、ノルウェー、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、そしてフランスを占領している。
イギリスは先ほどの上陸で国土を破壊されており、立ち直るのは難しいだろう。
現在の時点では、ベルリンが焼土と化す要素は何一つ無い。
なのになぜ、あのような夢を見たのであろうか?

気分転換に、ホテルを出て街を散歩する。
とりあえず、ビールでも飲みにいくか。
ビアガーデンにいこうとした時、俺は軍服を着た男に呼びかけられる。
「ヴォルフガング・ズィーガー陸軍将軍でしょうか?」
その男は、立派な髭を生やし、将軍の階級章を襟につけていた。
「はい。何用でしょうか?」
「先ほどのイギリス上陸は大変でしたな…」
「それがなにか…」
「申し遅れました、空軍将軍のゲオルグ・シュタイナーと申します」
「シュタイナー…まさか!」
シュタイナーといえば、ブリッツの部下のエースパイロット、リヒテル・シュタイナーを思い出してしまった。
あのブリテン島上空の激戦は、まだ俺の脳裏に焼き付いているからな。
「いかにも、私はリヒテルの父親です。貴方のことはブリッツ君からよく聞いてますよ」
「なるほど。ところで私に何かようでしょうか?」
「じつは、ちょっと同行をおねがいしたいのですが」
俺はシュタイナー将軍に誘われて、ミュンヘンの町外れにある、
とある店にやってきた。
「占いの館?」
「私の母は占い師をやってましてね。一辺貴方も占ってもらったらどうでしょうか?」
占いねえ…。
俺は基本的に占いは信じない方だ。
でも、今朝あんな夢を見たんだから、ここは一つ占ってもらうことにした。

「いらっしゃいませ!」
店に入ると、元気のいい声がした。
その声の主は、青くて長い髪をした、12歳くらいの可愛らしい女の子だ。
「あ、お父様!おかえりなさい!」
お父様?
というと、この娘はシュタイナー将軍の…。
「ズィーガー将軍、娘のアンナです」
俺が言うまでもないか。
「アンナというのか。俺はヴォルフガング・ズィーガー。よろしくな」
俺はアンナに握手を求めた。
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
彼女の方からも、快く握手をしてくれた。
「さ、こちらにどうぞ」

シュタイナー将軍とアンナに導かれて、俺は占い師のもとへ。
「おお、よくきたのお」
そこには一人の婆さんが座っていた。
「お母様、彼がズィーガー将軍です」
「ほお、なかなか強そうな顔をしているの」
婆さんは俺の顔を眺めている。
「わしはエリナという。エリナ婆さんと呼んでもいいぞ」
「おばあさま!!」
アンナが恥ずかしそうに叫ぶ。
「いいんじゃよ、アンナ」
この時のアンナを見て、怒った顔も可愛いじゃん、と思った。

「ズィーガー、おぬし今朝にでも悪い夢を見たじゃろ」
「!!」
俺は一瞬焦った。
この婆さん、俺が悪夢を見たことをピッタリと当てたのである。
「しかも、ベルリンが焼け野原になるという…」
「そ、そこまでわかるのですか?」
「まあね。おぬしの作戦次第でこれは現実になるかもしれないぞ」
婆さんは手元の水晶玉を俺に見せた。
「これを見てもらえるかの。おぬしの悪夢の光景が映ってるぞ」
水晶玉には、ベルリンが、いやドイツ全土が焼け野原となる恐ろしい姿が映っていた。
「な…なんということだ…」
占いはあまりあてにしない俺でも、この事だけは否定できなかった。
良く考えてみたら、電撃戦を使えばこんなことはいつでも出来るからだ。
それはこの俺自身がフランス侵攻で証明してみせてしまった。
第一次大戦の大国であったフランスをわずか一ヶ月で降伏させてしまったからだ。
次は我がドイツはソビエト社会主義共和国連邦と戦うことになる。
しかし、ロシアの大地はあまりにも広大だ。
しかも奴等の背後には「冬」という人間では太刀打ちできない味方もいる。
もし我がドイツがソ連の反攻を受けたら、間違いなく悪夢は現実となるであろう。
もう我がドイツに残された道は、ソビエトに勝つしかなくなったのである。
しかし、ロシアの冬には勝てるのだろうか。
もし冬が来てしまうと、大惨敗は免れない。
それを防ぐためには、ソビエト侵攻を急がなければならない。
「…婆さん、ありがとうございます」
「ドイツの運命は、すべておぬしが握ってるといっても過言ではないからの」
婆さんは水晶玉をしまう。

シュタイナー将軍が言う。
「ズィーガー将軍、我々の一族は先祖代代から占い師をやっているのですよ」
「なるほど。でも、あれを見せられた時は肝を潰しました」
「あれはこれからの未来の一つであって、絶対ではありません」
「…!! ということは…」
「ソビエトとの戦い次第で、この未来を変えることは、出来ないことはありません」
つまり、この未来は回避できるということだ。
「…ありがとうございます、シュタイナー将軍」
悪夢を現実にしないためにも、俺は次の作戦を急がなければならない。
休暇が明け次第、すぐにソビエト侵攻の作業に取り掛かる予定だ。

俺はエリナ婆さんの店を去ろうとする。
「待ってください!」
誰かの呼び止める声がする。
「アンナ…!」
シュタイナー将軍の娘であるアンナだ。
「ズィーガー将軍!ソビエト侵攻に参加されるのなら、いきなりモスクワを目指さないで下さい!」
「え、どういうことだ?」
「1941年の10月には、ドイツ軍はモスクワ郊外まで達するでしょう。でも、その頃には冬はいつもより早く来てしまいます」
「10月に冬が?」
「もし貴方がモスクワを目指していたなら、間違いなく生きては帰れないでしょう」
アンナの瞳には、わずかに涙が零れていた。
ロシアの冬は、とにかく厳しいものだと聞く。
気温は極限にまで低くなり、吐く息でさえ凍ってしまうとか。
あの寒さなら、戦車は当然故障して動けなくなり、歩兵も寒さで戦争どころではない。
「となると、俺の取るべき道は?」
「はい。まずルヴォルフ、キエフ経由でロストフを占領し、ソビエトの資源を確保しておくことです。こうすればその後の戦いに大きな影響を及ぼすでしょう。
冬が終わった後でもモスクワを陥落するのは遅くはありません」
「なるほど。資源を奪って冬を越せば、ソビエトも国力を下げざるを得なくなるだろう」
俺はこの時、たかが12歳の少女にこれほどまでの戦略・戦術が練れるものなのだろうかと思った。
もし彼女が軍人なら、俺のよき参謀になってくれるだろう。
「…わかった。君の言う通りにするよ」
「ありがとうございます!」
アンナはうれしそうだった。
「冬がそんなに早く来るなら、ソビエト侵攻を急がせないとな…」

俺はミュンヘンで、恐ろしいものとそれを回避するための戦術を学んだ。
それにしても、エリナ婆さんといい、アンナといい、シュタイナーの人間は不思議な連中だな。

休暇が明け、ソビエト侵攻の作戦を練りつづける。
俺はアンナに言われた通りの資源確保ルートを取ることにした。
このルートには、総統閣下も賛成してくれている。
しかし…。


いやー、オリジナルストーリー、長い文章ばっかりですみません。
「占い師」の設定は少々強引だったかもしれませんが、
ズィーガーには史実の運命を知ってほしくて、苦肉の策であのような展開になりました。


「バルカン侵攻作戦」

枢軸国としてソビエトに参戦予定だったユーゴスラビアで反ナチ派によるクーデターが発生。
これを鎮圧するために、ソビエト侵攻「バルバロッサ作戦」は延期され、俺とブリッツがイタリア軍、ハンガリー軍、クロアチア空軍とともにクーデター鎮圧のために出動した。
早くソビエトに侵攻しないと冬が来てしまうというのに、何という事態であろうか。
やっぱり、アンナの言ってたことは正しかったのか。
愚痴をこぼしても何にもならない。
ここは手っ取り早く終わらせてしまおう。
  • 陸軍将軍:Pzkw38tA(将)、PzkwIVE、PzkwIVE、PzkwIVE、sIG33/1、sIG33/1、sIG33/1、エリート兵、エリート兵
  • 空軍将軍:Bf109F(将)、Bf109F、Bf109F、Bf109F、Me110E、Me110E、He111、Ju88A N
俺達はテッサロニキ(サロニカと書くと、「デスクリ」を思い出してしまう(爆))を拠点に、首都ベオグラード、ドブロニク、サラエボ、クラグエヴァッツを制圧することが今回の任務。
今回は山岳地帯が多いということで、索敵能力に優れたプラガ38t戦車に乗ることにし、エリート歩兵部隊を配備した。
すぐ隣にイタリア軍、北からはハンガリー軍がいるが、イタリア軍の戦車は装甲の薄い「走る棺桶」だからなあ。
はっきり言って、自国の反ファシスト派を追い回してればいいのでは?なんて思ってしまう。
ハンガリーのトルディ戦車にしても、似たようなものだし。
空軍はハンガリーにHe111、Do17Zなんかがある以外は旧式だしね。

まずはユーゴ第5軍の排除だ。
ブリッツが新しく配備したMe110Eの500Kg爆弾は強力で、「動く化石」ルノーFTや歩兵をバタバタとなぎ倒してくれる。
空爆で弱った所を戦車で止めを刺して行く。
敵の空軍が襲ってきた。
旧式の複葉機の中に、ハリケーンもいたが、何とクーデター前に我がドイツが輸出していたBf109までいたのである。
この時にエースパイロットのリヒテルは「Bf109でBf109を倒すのは良くない気分でしたね」と語っていた。
いつもどおりの作戦でクラクエヴァッツを占領。
しかし、ハンガリー軍の爆撃機が必要な都市や飛行場をボコボコ破壊してくれるのが頭の痛い所。
サラエボ南東の飛行場だけは作戦上必要なので、ブリッツの航空機部隊を一部隊上空警戒のためにまわさなければいけなかった。
二日目の夕方には、ヴァイクス将軍が増援で登場。
さっそくベオグラード攻略に向かわせた。
その間俺の部隊はサラエボを攻略しにいくが、ハンガリー軍が大苦戦中であった。
やっぱり当てにならなかったか。
仕方ないので、うちの部隊で助けてやることにした。
さすがに山に囲まれた都市だけあって、こちらの身動きが取り難い。
敵はもはや戦車など無く、歩兵や砲台ばかりだったが地形の悪さからなかなか突破できなかった。
それでも間接攻撃や空爆を駆使してサラエボを占領。
一方ドブロニクは、とても間に合わないので焼夷弾で焼き払うことにしたが、ちゃっかりイタリア軍が占領してしまった。
そしてヴァイクスがベオグラード占領。
こうしてユーゴのクーデターは鎮圧された。
13ターン Lv1 戦略的勝利。

しかし、これによってバルバロッサ発動が遅れてしまった。
モスクワ行きの連中は御愁傷様だな。
俺はルントシュテット元帥配下の南方軍集団として戦うことになった。


「南方軍集団の戦い」

ソビエト連邦、ルヴォフ要塞。
「おいコリアノフ、なんか音がしなかったか?」
「ん?援軍でも来てるのか?」

ゴゴゴゴゴゴゴ……

「あ、あれはナチの戦車部隊だ!!ヒトラーめ、やはり裏切ったな!!」
「ナチが来たぞ!!総員戦闘態勢に入れ!!」

1941年6月22日「バルバロッサ作戦」が発動された。
俺はアンナに言われた通り、南側の資源確保を重視した侵攻ルートを取った。
  • 陸軍将軍:PzkwIVE(将)、PzkwIVE、PzkwIVE、PzkwIVE、PzkwIVE、PzkwIVE、sIG33/1、sIG33/1、155mm加農砲
  • 空軍将軍:Bf109E(将)、Bf109E、Bf109E、Bf109E、Me110E、Me110E、Me110E、Ju88A N
さすがに南側は防衛網が薄いようだ。
俺の部隊はルヴォフ要塞の目と鼻の先で行動を開始することになった。
後ろにはライヘナウ、クライストの部隊もいるが、そちらは北側の要塞を攻略してもらう。
相手は要塞以外にはT-26軽戦車、T-38水陸戦車、そして狙撃兵といった所か。
「ビッケルスの物真似戦車なんて、簡単に蹴散らしてやりましょうぜ」
俺の戦車の装填手のシュッツは余裕満々だ。
こいつは皮肉屋だが、戦場では頼りになる部下の一人だ。
ルヴォフ要塞を戦車と榴弾砲で突き崩し、都市を占領している間にも、
上空では派手な空中戦が展開されていた。
「お、イワンの空軍は複葉機のチャイカ(I-15)に、ハエのI-16だぞ!!」
「イギリスが肩入れしても、新型戦闘機は少ないんだなあ」
「ん、あれは…」
それはソビエト新型機のラボチキンLaG3だった。
「新型か…だが、一ひねりだ!」
ブリッツ空軍・ワイズマン戦闘機隊はソビエト空軍機に食らいつく。
LaG3は、Bf109の敵ではなくことごとく撃墜された。
俺の戦車のすぐ側にLaG3の残骸が落ちてきた。
「フーッ、あぶねえあぶねえ、俺達のとこに落ちるかと思いましたよ」
シュッツが冷や汗をかいていた。

さて、夕方にはルヴォフを完全制圧したが、ここで厄介な敵が現れた。
敵の戦車部隊が俺とクライストの部隊に襲い掛かってきた。
「T-26か…」
シルエットから察するに、T-26のようだったが…。

ドォン!!

IV号戦車のうち一両が破壊された。
「こいつは何だ!!T-26じゃないぞ!!」
なんと、ソビエトの新型戦車だったのである。
箱型の車体と砲塔で、てっきりT-26かと思っていたが、敵は重戦車だった。
「とにかく撃て!近づけるな!」
クライストの部隊も大混乱に陥っていた。
III号の50mm砲、IV号の75mm砲が火を噴くが…。
「だめだ、弾かれた!!」
新型戦車の装甲は、我が戦車の砲撃を受け付けなかったのである。
俺は、この状況でも的確に判断し、部下の戦車部隊に指示を出す。
「履帯を狙え!動きを止めるだけでもいい!!」
部下の戦車部隊は、新型戦車の懸架装置を狙撃し、ようやく動きを止めた。
後にこの戦車はソビエトの「クリメンテ・ヴォロシーロフ」KV−I、KV-IIということがわかった。
この戦車は42口径76mm砲、90mmの重装甲を施した戦車であり、我がドイツのどの戦車よりも優れていた。
俺は後にこのことを軍司令部に報告し、しかるべき措置をとるよう要請した。
重戦車を何とか全滅させた後は、敵の戦線は総崩れになっていたので、残存赤軍部隊をせん滅し、敵の全滅で任務を完了した。
8ターン Lv1 戦略的勝利。

無傷で捕獲できたKV戦車は本国へ持ち去られ、時期主力戦車のデータとして活用するらしい。
しかし、ソビエトにこのような戦車があったとは驚きだ。
無傷で勝利を収められるのだろうか。

一方北アフリカでは、英軍によって苦しめられているリビアのイタリア軍に協力するため、
エルヴィン・ロンメル将軍が派遣されたという。
ロンメルといえば、我がドイツ軍でも5本の指に入る名将。
満足に補給物資の得られない砂漠の戦いは厳しいだろうが、彼なら英軍を蹴散らしてくれるだろう。

旧フランス領インドシナに、同盟国大日本帝国が進駐したのもこのころである。
これに対してアメリカ合衆国は日本に対して石油の輸出を禁止したらしい。
これがきっかけで日本がアメリカと戦争を起こすのも時間の問題だろう。
そうなれば、我がドイツも必然的にアメリカと戦うことになる。
まずい状況に陥らないうちに、イワンとの決着をつけねばならないな。


「ドニエプル渡河戦」
  • 陸将:PzkwIVE(将)、PzkwIVE、PzkwIVE、PzkwIVE、PzkwIVE、PzkwIVE、sIG33/2、sIG33/2、sIG33/2
  • 空将:Bf109F(将)、Bf109F、Bf109F、Bf109F、Me110E、Me110E、Ju88A N、He111
俺達南方軍集団は資源確保の拠点としてキエフを攻略することになった。
なお、この作戦では援軍として中央軍集団が参加することとなる。
作戦開始時は、ちょうど我が軍が赤軍を取り囲む格好である。
奴等の補給はすでに断ちきられており、よほど下手なことをしない限りは勝てるだろう。
だが、先ほどの戦いで出現したソ連最新型戦車「KV」もおそらく配備されていると思うので、油断はできない。
しかも盗聴で入手した情報では、さらに最新型の戦車まで配備されている可能性も高い、ということである。
だが、兵士の技量はこちらのほうが上だ。
うまくこなしてくれるだろう。

まず俺とクライストの部隊はキエフの南東から侵攻することになる。
目の前にはソ連38軍が待ち受けており、厄介なKVまで配備している。
この戦車にクライストの部隊がかなりの被害を受けたが、航空支援の元KVを撃破あるいは戦闘不能に陥らせることはできた。
ライヘナウはキエフのすぐ西に位置していたが、橋は破壊されており、工兵隊で修復しても敵の主力に押しつぶされるのが関の山だと判断したため、南下して無事な橋を渡ることにした。
北側の中央軍集団と、俺達南方軍集団が南北から攻めているため、必然的に敵の主力は分断されてしまっている。
航空機も相変わらずI-16やラグ3など、情けないくらいに弱い。
制空権は完全にこっちのものとなってしまった。
このまま我が軍の快勝かと思ったが、厄介な敵が新たに登場する。

キリキリキリ…

「ん?なんだあの戦車は?」
「BTに似ているが、なんか違うぞ?」
「まあ、とにかく破壊しろ!!」

ガキィィィィン!!!

「なんだと!!IV号の75mmじゃ奴の装甲は貫けないのか!!!」

ドォォォォォン!!!!

「し、しまった!!脱出しろ!!!」
これこそソ連の新型戦車、T-34であった。
クリスティー懸架装置に傾斜装甲、そして長砲身76.2mm砲。
KV以外にもソ連にこんな戦車がいたとは。
T-34は我が軍のIV号の攻撃をものともせず、BT譲りの速度で突き進んで行く。
「畜生!!クソッタレめ!!」
IV号は、T-34のキャタピラを狙ってなんとか動きを止めることに成功した。
恥ずかしながら我がドイツの戦車では、攻、守、走どれをとっても太刀打ちできなかった。それでも破壊できたのは、ドイツ戦車兵の技量が高かったからである。

T-34さえ全滅させられれば、あとはもう勝ったも同然。
俺とライヘナウの部隊がキエフに突入し、残存赤軍はすでに戦意を喪失。
次々と降伏し、武器を捨てた。

8ターン Lv1 戦略的勝利。

さて、この戦いで我々を悩ませたT-34戦車だが、捕獲したこの戦車のうち数両を俺に給与してくれるという。
「将軍、このイワン野郎の戦車はどうします?」
「俺達の戦車より優れているんだ、使えるように整備しろ」
「無線機がありません」
「それくらい我がドイツのものを積み込んでしまえ」
後に俺の部隊に「捕獲戦車中隊」が作られることになるが、T-34に乗った戦車兵はこう語った。
「T-34はIV号よりも速くて硬く、そして火力も強い。だが、砲塔は狭いし、変速装置がハンマーで叩かないとレバーが動かないのは勘弁してほしいね」


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