南洋新報
遂行者:drunker
作戦名:提督の決断3(SS)
   シナリオ3ミッドウェイ海戦



昭和十八年十月二十九日
獨より兵器技術力供與
【東京發二十八日】樞軸同盟の友邦獨逸第三帝國より兵器技術力が援助された。親善技官の來日は今次大戰開始以來これで五度目。


[情報部酒粕大尉(在赤城)發三十一日・祕匿電・軍令部以外ノ閲覽ヲ禁ズ]
暗號解讀の結果、米國の作戰は『アメリカ本土方面制壓作戰』と判明せり。また併せて敵殘存艦艇が僅か十四隻であることも判明せり。


昭和十八年十一月一日
新型艦戰『烈風』生産開始
【東京發十月三十一日】陸海軍軍令部は次期主力艦上戰鬪機として三菱重工業提案の『烈風』を採用、直ちに量産を開始した。『烈風』は零戰の後繼機として開發されていたもので、零戰よりも大型ながらハ-四三・一一型二千馬力級發動機を搭載し、米ヘルキャット戰鬪機を輕く凌駕する性能が期待されている。なおこれに伴い『零戰五二型』の生産は中止される。


[情報部酒粕大尉(在赤城)發三十一日・祕匿電・軍令部以外ノ閲覽ヲ禁ズ]
對米戰終結後ニ豫想サレルそ連邦トノ開戰ヲ前ニ、『烈風』ノ性能試驗ヲ實施シタシ。第二艦隊航空隊ヘノ配備完了マデ『ド號四番作戰』ノ發令ハ待タレタシ。


昭和十八年十一月十六日
シアトル猛爆
【大本營陸海軍部發表(午後二時)】わが軍は本十五日正午、シアトルに對し猛爆を開始。陸海軍混成のサンフランシスコ航空隊四百四十五機が大なる戰果を收めたり。續き二次攻撃を計畫中。


昭和十八年十一月十九日
シアトルほぼ壞滅
【赤城(在カリフォルニア沖)發十八日】信頼できる情報筋によれば米國の最後の據點であるシアトルは、わが軍の連日の空爆により軍事關連施設はもとより市街地までもが燒失、ほぼ完全に壞滅した模樣。米側は必死の復舊を試みてはいるものの、晝夜二度に渡るサンフランシスコ航空隊の攻撃がたちまちのうちに灰燼に歸してしまうため、復興の目途はまったく立っていないという。


[情報部酒粕大尉(在赤城)發二十日・祕匿電・軍令部以外ノ閲覽ヲ禁ズ]
思イノホカ強力ナリシさんふらんしすこ航空隊ノ空爆ニヨリ、モハヤしあとる基地ニ戰力ナシ。烈風ノ實戰試驗イマヤ不能。『ド號四番作戰』ノ發令ヤムナシト認ム。


昭和十八年十一月二十四日
シアトル制壓!
米國太平洋方面の全戰力壞滅!

【大本營陸海軍部發表(午後二時)】わが軍は本二十三日正午、米シアトル基地を占領せり。これによりて米國太平洋方面の主要基地及び母港の全ての制壓を完了。
【赤城(在シアトル)發二十三日】サンフランシスコ航空隊及び第二第三艦隊により、ついに米シアトル基地の制壓に成功した。これにより米軍戰力の太平洋進出はもはや完全に不可能になった。米國政府は二十四日深夜までに、わが軍に對しほぼ全面降伏に近い條件での停戰協定を打診している模樣。わが國政府および陸海軍軍令部は、わが國により有利なる條件のもとでの停戰協定を模索中と傳えられる。


昭和十八年十一月二十五日
祝・終戰!
米國遂に降伏!
我ら聖戰を完遂せり!

【政府廣報局發表】わが國とアメリカ合衆國政府とは次の條件における講和條約を締結するに至ったことを發表する。

一、米國政府はわが國の太平洋方面における全權益を將來にわたり無條件で承認する
二、ハワイ諸島はこれをわが國の信託統治領とする
三、一、二をもって、わが國と米國との戰鬪状態を停止する

【赤城(在シアトル)發二十四日】遂にわが國と米國政府との間に講和が成立した。これはわが陸海軍の猛活躍により米國の太平洋方面戰力を壞滅させたことによるもので、これにより米國艦隊はパナマ運河以西への進出が全く不可能となり、大西洋に閉じ込められる形となっていた。しかし歐州を席捲しつつある獨逸第三帝國も既に大西洋の制海權を掌中に收めつつあり、本年中の米大西洋岸上陸作戰も噂されていた。このような状況の中で苦しい立場に追い込まれた米國政府は國民世論の厭戰氣分も手傳い、わが國と講和する道を選擇したものと考えられている。太平洋におけるわが國の全ての既得權益の承認とハワイ諸島の信託統治權の讓渡は米國にとっては全面降伏に近い條件であるが、こうした條件下で講和せざるを得ないことが米國の現在の苦境を表わしていると言えよう。ともあれ、今次の太平洋における戰鬪はここにすべて終結した。これはわが國の不屈の精神の勝利である。なお長きに渡って困難な戰鬪を敢行してきた全將兵に對し、連合艦隊司令長官山本五十六元帥は感謝の意を表わした。
(完)

なお本ドキュメント作成にあたっては、「旧漢字フィルターQKNJ.COM」(フリーウェア/没有軟件公司氏)を利用しました。


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